革の染めって難しいの!?私達が革を染色する理由。

革の手染め風景

私たち「手仕事デザイン」が運営している

レザーを扱うブランド「RINZEN」と「えみいろ。」では、

(基本的に)自分達で革の染色を行っています。

 

染色といっても、

本当に様々な方法があり、

文献を読んだり、実験したりしながら

少しずつ出来る事の幅を広げていこうと思っています。

 

革は天然素材なので、

毎回染まり方が違いますし、

季節や環境にも影響を受けます。

(今はもうそういうのに慣れちゃいましたけどね~

最初のころは悩んだし、落ち込みましたよ~)

 

染色のロット(染色を行ったタイミング)によって

上がりが違うのは、

天然皮革の常識と言えば常識なのですが、

 

「色が前買ったものと違う~」

「同じ色のアイテムを一緒に買いたいのに色が全然違う~」

 

とおっしゃられるクレームが、

海外に比べると日本では多いみたいです。

 

なかなか、革は色落ちして当たり前と言われても、

「はいそうですか~」納得するのは難しいですけどね(^^;)

 

日本では海外よりも商品に均一性を求める傾向にあるので、

革の染色を専業でやられているメーカーさんは本当に大変なようです。

 

例えば、商業施設によっては照明器具が違うので、

バッグメーカーによって蛍光灯の下で色を確認して欲しいところと、

昼白色で確認してほしいところ、太陽光で見た時に色を合わせて欲しい所などなど、

様々な要望に対応されてらっしゃるわけです。

 

革の染色でも一、二を争う難しいポイントが、

狙った通りに染めるという事ですからね・・・。

 

色ブレ(指示した色からずれる事)を許容範囲にまで

抑え込む事が、ある程度機械化している大手メーカーさんでも

やはり職人の経験と勘がものをいう所なのでしょう。

 

私達の場合は、ある程度の色基準を作ってはおりますが、

他社さんの為に染めるという事が基本的にはないので

その時々の色の染まり上りを楽しんでいる事が多いです。

 

染色を担当しているパートナーは、何年も染めをやってきてますから、

ある程度は狙った色を作れるようになっているのですが、

性格的に、あえてアートのように描いたり、

実験を楽しむように色作りをしていたりするので、

出来上がってみると「あ!こういう色もいいね!」とポジティブに僕も捉える事が多いです。

 

革の不確かで扱いの難しい部分をむしろ楽しんで制作できるのは、

自分達で染めて、小ロット(少ない数)で生産出来ることの最大のメリットだと思っています。

 

私達の生産する量って、

メーカーさんのサンプル分くらいですからね、

(もしかするとそれ以下の数かも)

ある意味ですごーく希少価値があるのかもですね!

(あくまでポジティブ姿勢)

 

日本で一番小さなメーカーと言っても過言では無い私達が

もしも、海外のタンナーさんにオリジナル色の革を発注すれば、

2色くらいで、私達の年間生産量では使い切れないくらいの革の量になっちゃいます。(汗)

 

だけど、海外のレザーのような色が欲しい!

むしろ、海外のレザーよりも素敵な色が欲しい!

 

「無ければ、作れば良い」が合言葉。

 

日本で暮らし、

日本の四季を感じながら染め上げれば、

きっとどこにも負けない素敵な革が出来るはず~

 

触り心地や特性なども革の良し悪しを決めるとっても大切な要素だと思っていますが、

やっぱり第一印象は「色が素敵だな!」とビビビっとくる事じゃないですかね。

これって本当に重要だな~と最近改めて思うんですよね。

 

男性は直感よりもウンチクやスペックに惹かれる方が多いのかもしれませんが、

やはり女性に「綺麗な色」って笑顔になってもらいたいですよね!

(下心はありませんよ~)

 

ちなみに、新ブランド「えみいろ。」は漢字では「咲み色」と書きます。

咲という漢字、咲く(さく)という使い方が一般的ですが、

もともと笑うという意味があったそうです。

(武井咲さんって、良い名前ですよね~)

 

その他にも色々な意味を込めて名付けた

新ブランド「えみいろ。」でみんなを笑顔にできればいいな~。

 

という訳で、、

 

私達が革を染色する理由は、

綺麗な色の革を沢山使って

みんなに喜んでもらって、

笑顔になってもらいたいからです。

 

後は、前の記事でも書きましたが、

試作がとにかく大好きですからね。

 

オリジナルの技法を取り入れたり、

伝統的な技法を紐解いたり、

実験的な製法を試みたりしながら

ものをつくる瞬間がとても好きなんです。

 

さて・・・

本当に色々と、やってみたい事が多すぎて困りますね。。

 

「革の手染め」という技法以外にも色々とこだわっているので、

また今度お話したいと思います。

 

それにしても、革が染まっていく瞬間は見ていて本当に楽しいですね~。

革の手染め