今日は、レトロミシンでガシャンガシャンと、
「えみいろ。」のサンプルを縫製しておりました。
道具や機械の写真って、
なんだかワクワクしますね~
(ものづくり好きな人は共感してくれるはず!)
私達が使っているレトロなミシンは、
今時のコンピューターミシンと比べて、
鋳物作りならではの重厚感が凄くて、
戦車のようにガシャンガシャンと
音を鳴らせながら縫い上げていきます。
元々が足踏みミシンだったのかと思うのですが、
サーボモーターという賢いモーターで一針ずつ縫う事が出来るように
ミシン屋さんに改造してもらった物を使用しています。
さすがに、旧式のミシンなので
色々と面倒な点とかあるのですが、
手縫いに比べると生産性は半端なく高まります。
例えるならば、
「伝書鳩」と「スマホでLINE」くらいの差が手縫いとミシンではありますね。
伝書鳩を使ったことが無いから分からないんですけどね。
時間にすると20倍くらいかな。1分で済む所が20分以上かかるんですよね~。
クオリティ面では手縫いがミシンよりも遥かに良いのだけど、
かかった時間をすべて価格に転嫁する事は難しい現状なので、
完成品販売が中心となるEMIIRO.では
ミシン縫いがメインで手縫いは補強や装飾的に使っています。
(受注生産となるRINZENでは基本的に手縫いです。)
極太の0番の糸まで縫えるように改造されているので、
例え最新式のミシンを購入しても、
これから何十年も使っていけるのではないかなと思います。
革製品や、洋服を作っている人は、
大体みなさんミシンや道具が好きですよね。
僕の場合は、ミシンで縫う事自体が好きというよりは、
(手縫いに比べて)素早く縫製する事が出来るという点が、
頭の中や、紙の上のデザインをいち早く形にできるという点で好きですね。
少し古いですが、
NHKドラマのカーネーションで
主人公がミシンにときめくシーンがありましたが、
あれもやはり「こんなに早く縫えるんや!」って所に
感動してるんじゃないかな~と勝手に共感してました。
アパレル企業でデザイナーとなってからは、
デザイナー(デザインする人)、
パタンナー(型紙作る人)、
縫製工場(縫製する人)
という感じで、物作りも分業制となりますので、
自分で縫って形にするという工程がすっぽり抜けておりました。
自分の手を使って、何かを作ってみる事が好きなので、
結局はこうして今のお仕事にいきついたのかな~と思います。
とはいえ、たった一人で全てを行う事は
色々な意味で広がってはいきません。
やはり、客観的な目線や、
自分とは違う角度でのアイディアや意見を
出してくれる人たちがものづくりには必要だなと思っています。
それは、お客様であったり、
仕事仲間であったり、家族だったり。
手縫いで革製品も作りますが、
ミシンでも革製品を作る事で、
別の視点で見れて色々な発見があるなと最近感じています。
このレトロミシンも、縫うだけじゃなく、
色々な物事を考えるきっかけを与えてくれてるんだな~と、
うちに来てくれたことに感謝しながらこれからも使いたいなと思います。